雨
雨
ときどき晴れ?
どうせ降るなら激しく濡らしてよ
叩きつけるように音を立てて
髪の一本一本まで触ってよ
穏やかなスローな天気雨はもういいよ
そんなんより
痺れるみたいな雷を連れてきてよ
涙も同化させるくらい濡らして
メイクも服も、だいなしにしていいよ
ぜんぶあんたにあげるよ
天を仰いでひたすら濡れてたり
傘をささずにガシガシ歩いたり
そういうのが良かったりするのに
かわいい傘を持って
わたしの世界に堂々と入ってくるな
叫びたい
うまく伝わらない。心の中で怪物が常に暴れてるっていうのに。それを表現したい。
わからんけど、、こわい。
暑い。熱い。
イライラする。腹がたつ。煮えくり返って蓋が暴れとる。叫びたい。叫びたい。溜まっとる。
って怪物が言ってる。
誰にも分かられたくない。知られたくない。見られたくもない。
話してたら表情にすべて出る。怖いから話したくない。口を閉じてたら安心する。
近づくな。近づくな。バレてしまう。こわい。
そうやって壁を作ってたら、すごく寂しいことに気づいた。
わたしはわたしを表現したいのに、うまく表現できない。
わたしの中の怪物を見たら、みんなわたしを嫌うやろう。怖がってわたしを遠ざけるやろう。
そんな寂しさよりは、今の寂しさの方が何倍もましだ。孤独なんか怖くない。寂しいけど、安心する。自らひとりでいるしかなくなってしまった。
わたしがわたしを唯一表現できるのは、文字だけだとおもう。
文章を書いていたら、この右手で怪物を飼いならすことができた。今ではすっかり仲良しだ。
わたしは彼がすきだ。仕上がった文章を見ていると、彼はわたしの右手にすり寄ってキスしてくれるからだ。
ふわっとしてて、あたたかい。すこし潤っていて、体温を感じる。生きてるなあ。あんたもわたしも。
裏切らんといて。あんたも、わたしの右手も。一生一緒におって。大事にするからさ。
死ぬまでわたしに色をつけて。
不束者なんかじゃない。謙遜なんかするな、らしくない。堂々と胸張って立ってたい。絶対にこの世界にいたい。
生きづらいな。足場なんかほんの少しだ。
生きる
近づかんといて。
邪魔すんな。鬱陶しい。ひとりにして。
離れんといて。
さみしい。こわい。なんもわからん。
嫌わんで。そこにおって。ずっとね。